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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談(二) (かにのかい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.664 Zeichen · 171 Bildschirme

Aozora Bunko

「……伯父さん、……伯父さん」

「わしを呼んだのか」

「すみませんが、何人か人が来て、裏門を叩いているようでございます。起きてくださいませんか」

「そうか、往って来よう、何だろう」

戸を叩く音がまたとんとんと聞えて来た。伯父さんはそれをはっきりと聞いた。

「なるほど、叩くな、何人だろう」

伯父さんはやっとこさ起きあがって、暗い中をさぐりさぐり庖厨の方へ往って土間へおり、足でさなずって下駄と草履をかたかたに履いて、其処の戸を放して裏口へ出た。暗い空には寒そうに星が光って四辺がしんとしていた。

「何人だね、なんか用かね」

すぐ眼の前にある裏門の戸がまたとんとん鳴った。伯父さんはその方へ歩いて往った。しかし、時どき強盗などの噂があって油断の出来ない時であるから、よく声をたしかめなければ開けられないと思っていた。

「何人だね」

微な風に顫えてるような声が聞えて来た。

「私でございます」

伯父にはあたりがつかなかった。

「私とは、何人だ」

「私の声が判りませんか」

伯父さんはやっぱり判らなかった。

「判らないね、何人だ」

「私は芳三でございます」

伯父さんは体がぞくぞくした。芳三とは新仏の名であった。