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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談(二) (かにのかい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.664 Zeichen · 171 Bildschirme

Aozora Bunko

「小供が怖い、これから小供に気を注けんといかん」

「ありゃあ、お寺の坊主の力がたらんからじゃ」

「力のある坊主を伴れて来にゃあいかん」

「ありゃあ見せしめじゃ」

村は暫く寺の嬰児の死んだ噂で持ちきっていたが、それも何時の間にか忘れられてしまった。その嬰児の死んだ噂の消えた時分のこと、それは事件の起った時からどれ位時間の隔たりがあったか判らないが、某日の夕方、私は二三人の少年仲間とすぐ近くの畳屋と云う家の庭で遊んでいた。其処は代々畳屋をやっていたが、肥った白痘痕のある其処の主人が歿くなるとともに商売をよして、その比は老婆と年とった娘が何もせずにいた。私たちはその畳屋の庭で、木の枝の削ったのを地べたに打ち込んで執りっこをする根っ木というのをしていたところで、堀内と云う村の巡査がつかつかと入って来て、私達の傍を通って表座敷の縁側の方へ往ったが、私達は根っ木に気をとられていたのでべつに注意もせずにいると、不意に表座敷の方で獣の吠えるような鬼魅の悪い怒りたった人声がする間もなく、障子のばたばたと倒れる音がした。私達は驚いて根っ木をやめた。畳屋の表座敷を借りて祈祷などをしていた総髪にした山伏と巡査が組みあったままで縁側に出たところであったが、間もなく二人の体は庭におりてくると黒い渦を巻いた。