Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎじんのすがた
日本の怪談
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme
腰には刀も何も見えなかった。
壮い男は、すぐその前の雑草の上へ腰をおろしてしまった。新一は彼の人はあんな処へ坐って何をするだろうかと思って見ていた。
間もなくまた何処からか跫音が聞えて此方の方へ来るようであった。新一はついとすると彼の壮い男が此処で何人かを待ちあわせているだろうと思ったが、それにしてもこんな処で待ちあわして何をするつもりだろうと思った。
跫音はすぐ前へ来た。それは僕のような容をした男でその手には何かものがあった。
二人はやがて何か話しだしたが、何を云っているのか新一の耳へは聞えなかった。そのうちに二人は手に掴んで何か喫いだした。新一は二人の喫っている物は何だろうかと思って透して見たが見えなかった。
二人の話は絶えなかった。話しながら絶えずものを口に持って往った。そのうちに新一は体が苦しくなって来た。彼はそっと体を右の方へ傾けようとしたところで、何かちらちらと動いたような気がしたので、見るともう二人の姿は無くなっていた。
新一はびっくりしてその周囲を見廻したがもう影も形も見えなかった。彼はふと怪しい獣のことを考えだした。
新一は起って二人の坐っていた処へ往って蹲んでみた。