Japanische Klassiker mit Furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme
悪しといわば弁護もやしたまわん。否、われとてもその直なる心を知り、貌にくからぬを見る目なきにあらねど、年ごろつきあいしすえ、わが胸にうずみ火ほどのあたたまりもできず。ただいとうにはゆるは彼方の親切にて、ふた親のゆるしし交際の表、かいな借さるることもあれど、ただ二人になりたるときは、家も園もゆくかたものういぶせく覚えて、こころともなく太き息せられても、かしら熱くなるまで忍びがとうなりぬ。なにゆえと問いたもうな。そを誰か知らん。恋うるも恋うるゆえに恋うるとこそ聞け、嫌うもまたさならん」
「あるとき父の機嫌よきをうかがい得て、わがくるしさいいいでんとせしに、気色を見てなかばいわせず。『世に貴族と生れしものは、賤やまがつなどのごとくわがままなる振舞い、おもいもよらぬことなり。血の権の贄は人の権なり。われ老いたれど、人の情け忘れたりなど、ゆめな思いそ。向いの壁にかけたるわが母君の像を見よ。心もあの貌のように厳しく、われにあだし心おこさせたまわず、世のたのしみをば失いぬれど、幾百年の間いやしき血一滴まぜしことなき家の誉はすくいぬ』といつも軍人ぶりのことばつきあらあらしきに似ぬやさしさに、かねてといわんかく答えんとおもいし略、胸にたたみたるままにてえもめぐらさず、ただ心のみ弱うなりてやみぬ」