Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのび
日本の美
中井 正一
Lesen Sie 日本の美 (にほんのび) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.126 Zeichen · 187 Bildschirme
というのであります。
「かかるさまの人は、もののあはれもしらぬものとこそききしを」といって、物に対決するこころの切実さが、こころ凝って哀感とも、吐息にも似たものとなってくるのであります。
やがてそれが、『古今集』のこころになってくるのでありますが、しかし悲しいかな、この歌のできあがりかたは、日本民族の全体の歌を、人々の記憶から集めた『万葉集』の形ではなくして、朝廷に仕える、高位高官の人々、たまに歌にたん能な、位低き人を加えて、少数の貴族官僚の中から、選ばれたのでありますから、すでに材料の量において、まことにかぎられているのであります。したがって、『万葉集』にくらぶるべくもなく、特殊の歌だけが、集められていることになるのであります。しかし、この人々は、世界に稀な形式をもって、政治をも忘れるほど、その宮廷は、歌の世界、詩の世界に浸っていたともいえるのであります。そこで、言葉の調子の美しい歌としては、その爛熟のきわみにまでいたったともいうべきでありましょう。
久方の ひかりのどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ
この歌に見えるごとく、久方、ひかり、春の日、花の散る、の文字における、Hの音のいかにも軽い、いかにも明るい言葉の調子が、歌の内容の中に解け込んで、比類なき美しいものとして、ハーモニー、すなわち和音をかなで