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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんのび

日本の美

中井 正一

Lesen Sie 日本の美 (にほんのび) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.126 Zeichen · 187 Bildschirme

Aozora Bunko

光琳の他の対手は、金色燦然たる綺羅をきそった衣装や弁当箱、引出物でもって、目もあやないでたちであったということが書かれています。

ところが、光琳はその日、何の変哲もない普通の衣装を着て、その上質素な竹の皮の弁当包みをもってきたのです。人々は、彼こそ最も美しいものを着、最も美しいものをもってくるであろう、と期待していたのですが、その案外ないでたちに、彼らは希望をこわされすっかり驚かされてしまったのです。

そして、その遊びの行事が進んでいき、いよいよ弁当を食べおわった時に、光琳はその竹の皮を、サラリと嵐山の大堰川になにげなく流したのであります。

ふと人々がそれを見ますと、普通の竹の皮と思ったそのうちがわには、光琳のこころをこめた蒔絵の絵がみごとにも描かれており、深い碧の色をたたえた大堰川の水のただ中に、金の色もあざやかに、人々の讃嘆の目を集めながら、静かに流れ去ったのであります。

その日の人々の最も驚き、最もその美しさにうたれたのは、もちろんこの光琳の弁当の竹の皮の蒔絵であったのであります。

この物語が生まれてくるところに、それが事実であったか否かは別として、日本の美を考えるのにまことに深い意味をもっているようにおもわれるのであります。