Japanische Klassiker mit Furigana
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チチハルまで
日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集(七)
黒島 伝治
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集(七) (チチハルまで) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.175 Zeichen · 9 Bildschirme
ときいてみた。
「ここへ留守番に傭われているんでやすよ。一日、十円なんですからね。」
下卑た笑いをやっている。
「そんじゃ、支那人は、危いから逃げだしてしまったんだな?」
「いいえ。」
「じゃ、どうしたんだ!」
「扉は閉めて、皆、奥に蹲んでいるんでやす。」
「何だ! じゃ、君は、留守番じゃない門番じゃないか!」
「へへへ、それゃ、そうでやすな。」
よく聞くと、日本人が居さえすれば安全だ。そこで、支那人は、一日十円も出して、わざわざそいつを傭っているんだという。
ところで、俺れの加わった防備隊だ。
何しろ、事件が突発したのが、十八日の午後十時すぎだろう。それから二時間たって、現場から四十八粁距ったここで守備隊の出発防備隊の召集ときているんだ。なかなか順序がよすぎるじゃないか、とても早すぎる。が、その背後にどんな計画があったか、それは君の想像にまかせる。
防備隊というのは兵隊じゃない普通の地方人だ。青年団や、中学生だ。
「何をしていた!」夜中の二時頃、俺が集合場に馳せつけると、志願兵上りの少尉が見つけてガミガミ云う。「みな、一時に集まって、任務についているんですぞ!」