Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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テガミ

日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7

小林 多喜二

Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7 (テガミ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.535 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが娘は十日も家にいると、またひょッこり居なくなるのでした。そして二三ヵ月もすると、警察から又呼びだしがきました。今度は別な警察です。私は何べんも頭をさげて、親としての監督の不行届を平あやまりにあやまって連れてきました。二度目かに娘は「お前はまだレポーターか」って、ケイサツでひやかされて口惜しかったといっていました。私はそんなことを口惜しがる必要はない。早く出て来てくれてよかったといゝました。

娘が家に帰ってくると、自分たちのしている色んな仕事のことを話してきかせて、「お母さんはケイサツであんなに頭なんか下げなくったっていゝんだ。」といゝました。娘はどうしても運動をやめようとはしません。私もあきらめてしまいました。それから直ぐ矢張り、又いなくなったのです。ところが今度は半年以上も、消息はありません。そうなると、私は馬鹿で毎日々々警察からの知らせを心待ちに待つようになりました。(笑声)

スパイが時々訪ねてくると、私は一々家の中に上げて、お茶をすゝめながら、それとなしに娘のことをきくのですが、少しも分りません。――すると、八ヵ月目かにです、娘がひょっこり戻ってきました。