Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.935 Zeichen · 73 Bildschirme
小林はハッとした。
と、同時に川上の捲上の方を見た。が、そっちは吹雪に遮られて、何物も見えなかった。よし、見えたにしても、もう皆登り切って、風呂に急いでいる筈であった。
風が、唸った。雪が眼の中に吹き込んだ。
「オイ、駄目だ。どうした!」
秋山は動かなかった。
「オイ、もう直ぐだ。もうちょっとだ。我慢しろ!」
秋山は動かなかった。
咄嗟に小林は、秋山を引っ担いだ。
然し、一人でさえも登り難い道を、一人を負って駈ける事は、出来ない相談だった。
彼等が、川上の捲上小屋へ着く前に、第一発が鳴った。
「ハムマー穴のだ!」
小林は思った。音がパーンと鳴ったからだ。
ド、ドワーン!
「相鳴りだ。ライナーだな」
二人は、小屋の入口に達していた。
ドドーン、ドドーン、ドーン、バラバラ、ドワーン
小林の頭上に、丁度、彼自身の頭と同じ程の太さの、滅茶苦茶に角の多い尖った、岩片が墜ちて来た。
小林は、秋山を放り出して、頭の鉢を抱えた。
ドーン、バーン、ドドーンー
発破は機関銃のように続いて、又は速射砲のようにチョット間を置いて、鳴り続けた。
やがて、発破は鳴り止んだ。
海抜二千尺、山峡を流るる川は、吹雪の唸りと声を合せて、泡を噛んでいた。