Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.935 Zeichen · 73 Bildschirme
坑夫の子
発電所の掘鑿は進んだ。今はもう水面下五十尺に及んだ。
三台のポムプは、昼夜間断なくモーターを焼く程働き続けていた。
掘鑿の坑夫は、今や昼夜兼行であった。
午前五時、午前九時、正午十二時、午後三時、午後六時には取入口から水路、発電所、堰堤と、各所から凄じい発破の轟音が起った。沢庵漬の重石程な岩石の破片が数町離れた農家の屋根を抜けて、囲炉裏へ飛び込んだ。
農民は駐在所へ苦情を持ち込んだ。駐在所は会社の事務所に注意した。会社員は組員へ注意した。組員は名義人に注意した。名義人は下請に文句を言った。
下請は世話役に文句を云った。世話役が坑夫に、
「もっと調子よくやれよ。八釜しくて仕様がないや」
「八釜しい奴あ、耳を塞いどけよ」
「そうじゃねえんだ。会社がうるせえんだよ」
「だったらな。会社の奴に、発破を抑えつける奴を寄越せとそう云ってくんな。おらにゃ、ダイナマイトを抑えつけるてな、芸当は打てねえんだからってな。篦棒奴! 発破と度胸競べなんざ、真っ平だよ」
こんな訳であって、――どんな訳があろうとも、発破を抑えつけるなんて訳に行くものではない――岩鼻火薬製造所製の桜印ダイナマイト、大ダイ六本も詰め込んだ発破は、素晴らしい威力を発揮した。