Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.841 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

比べられるほどの、どんなことをしているというのだろう。……由紀はからだがかっと熱くなり、恥ずかしさのために思わず拳をにぎりしめた。

「母上はまだお戻りなさらないか」

そう云って休之助がはいって来た。

「はいまだ……」

「酒を出したいのだが」

と、休之助は云いにくそうに声をひそめた、

「友人がこんど江戸詰めに出世して別れに来たのだ、ほんのしるしだけでも祝ってやりたいのだが」

「はいかしこまりました」

由紀はじっと良人を見あげた、

「ただいまお茶をさしあげましたらすぐにおしたくを致します」

「こんな時刻に済まないが、暫く会えなくなるものだから」

家計の苦しさを察している気のどくそうな口ぶりだった、由紀はそれを身を切られるようなおもいで聞いた。強くなろう、もっとしっかりして、どんな困難にもうろたえず、本当の良人の支えになるような妻になろう。……由紀はそう心に誓いながら、客間へ戻ってゆく良人のうしろ姿へしずかに頭を垂れるのだった。