Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.412 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

三

それを真向にうけると眼口を塞がれて息もつけない感じだった。由利はそうさせまいとする弁之助をずるずるとなかばひきずりながら、走るような足どりで下元禄というところまでゆき、平等院という菩提寺の墓地へとはいっていった。弁之助はわけのわからぬままに蒼くなった。どうされるのだろう。叔母のようすには心をぞっとさせるようなものがあるし、つれこまれたところが墓地だというだけでも、子供の頭には魘われるような恐怖が生じた。由利はそのまま彼を母の墓前へつれてゆき、雪の上へはげしくひき据えた。それから膝と膝をつき合せるようにして自分も坐ると、唇をみえるほどふるわせながら云いだした。

「よくお聞きなさい弁之助さん、わたくしは亡くなったお母さまにお頼まれ申して、及ばずながら今日までおせわをしてきました、けれどあなたはお母さまのお望みなさるような武士らしい武士になることはできないようです、喰物の好きこのみは直らず、犬をこわがったり、これしきの雪に学問を怠けようとしたり、それも腹が痛いなどと嘘まで仰しゃって……」

三

「こんなありさまではりっぱな人になれないばかりでなく、やがてお父上のお名を汚すようにもなりかねません」