Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.409 Zeichen · 23 Bildschirme
「軍議ゆえぶしつけにおうかがい申します、城のふせぎは備わらず、武器は足らず、しかも僅かに三百の兵をもって、おかた様には、まことに三万の軍勢とおたたかいあそばすお覚悟でござりますか」
「そうです」
「それにはなにかおぼしめす軍略でもござりますか、城の内外にある老幼婦女をどうあそばしまするか」
「常陸介はわらわをなんとみるぞ」
「…………」
「わらわを女とはみぬか、ここにいる姫を少女とはみぬか」
常陸介は言葉につまった。
「おんなの口からはおこにもきこえようが、いかに堅固な城に拠ればとてたたかいに勝つとはきまるまい、余るほどの武器、精鋭すぐった大軍をもっても、負けいくさになるためしは数々ある。城にたよる者は城によって亡びる、武器にたよる者は武器によってやぶれる、大切なのは城でも武器でもなく、それをもちいうごかす人の心にあるのではないか、十万百万の兵も烏合の衆では足なみも揃うまい、これに対して一騎当千と申す言葉がある、これはその人の強さではなく、たたかう心のあらわれを申すものだと思う、その心のあらわれが、軍の運をきめるのではないか」
すこしも気負った調子はなかった、平常どおりの優雅な夫人のこわねだった。