Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.409 Zeichen · 23 Bildschirme
二
そう覚悟していたのだ。しかし事情はまったく違ってしまった、小田原城が重囲のうちにあってなお頑強にたたかっているとき、はやくも関西軍の一部が攻めよせて来たという、城に火をはなって死のうという覚悟は、小田原城が落ち、良人もわが子も討死をしたあとのことである、まだ本城はたたかっているし、良人もわが子もいくさのなかにいるのだ、自分の死ぬときはまだ来ていないのである、まかせて去った良人が生きているうちは、預った城をまもりとおすのが妻のつとめなのだ。
二
しかしはたしてそれが可能であろうか、三百にたらぬ兵と、充分でない武器とで、三万の敵軍に対抗することができるであろうか。
真名女は身ゆるぎもせずに坐っていた、あたりの空気が重みをもっていて、それが四方から圧し縮まってくるような息ぐるしさだった、堪えかねて喘いだ、誰かを呼んで身を支えてもらいたいというはげしい衝動を感じた、それはまさに堪えきれぬはげしさだったが、真名女は歯をくいしばって自分のそのよろめく心をみまもった。その衝動に負けてはならない、体を躱してもならない、――さあ弱音をあげるがよい。とかの女は自分に云った、――女はこころ弱いものだという、どれほど弱いか、どれほど臆病であるかすっかり吐きだしてしまうがよい、みせかけの強がりや、つくりものの勇気などではとてもこの