Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.032 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

……八年という月日がなんと彼女を変らせたことだろう、どちらかというとまるく肥えていた体つきがすんなりとのびやかにひき緊り、眼鼻だちにも見違えるほどの品がついた。たしかに、そしておそらくは人にものを教えるという生活の影響であろう、あの頃にはなかった寂かなおちついた品がついていた。

「……まあ」八重は縁先に近づいた人のけはいにふと眼をあげ、それがなお女だと知ると、よろこびの声をあげた。

「まあ奥さま」

そして縁先へ走り出て来たが、なお女の強く覓める双眸に気づくと、打たれでもしたようにはっと息をひき、額のあたりを蒼くした。……なお女はなにも云わずに暫くそのようすを見まもっていた。それから八重が崩れるようにそこへ坐り、両手をついて深くうなだれると、まるで惹きつけられるように縁の上へあがった。そして、八重の膝へつきかけるほども近ぢかと坐りながら、「八重」と呼びかけた。

「おまえ、なぜ……あのときどうして約束した者があるなどとおいいだった。聞かせてお呉れ、おまえは平三郎が嫌いだったの」

「もったいない」八重は激しく頭を振った。「……もったいないことを仰しゃいます」

「ではなぜあんな偽りを云ったの、平三郎は縁談を断わってまで、おまえを望んだではないの、わたくし達が承知することもわかっていた筈ではないの、……あの子はまだ独り身で