Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.885 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

んわ」

「そんなこと仰しゃって、ではもし討死でもなすったら、縁談はおやめになさるおつもりですの」

「いいえとんでもない」しんは屹と面をあげた、「……縁談がきまったからはわたくしもう沢倉家の嫁ですわ、もし討死をあそばすようでしたらわたくしすぐ沢倉家へまいります、そして一生そこで舅姑に仕えて暮しますわ」

「それではもうお嫁入りあそばしたもおなじではございませんか、やっぱりお祝い申上げるのが本当ですわ、ねえあきつさま」

「祝って頂くのはともかく」としんは浮きたつ気持を抑えるように、たいそうしんみりとした調子で云った、「……あなたのお兄上も、沢倉さまも、いま三河のくにでいっしょに戦っておいでなさるのねえ、今ここにいる方たちみんなの父や兄弟やお子たちが、矢だまを浴びて、命を的にたたかっておいでなさる、……わたくしそう考えると、本当に自分が今こそ生きているように思えますの、わたくしの良人になる方はいま御馬前で戦っています、そう云うことのできる仕合せを身にしみて感じますわ」

「わたくしにもそのお気持はよくわかりますわ」あきつがうち返すように云った、「わたくしも今おなじように考えているところですの、ほんとうにそう思えることは仕合せですのね」