Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.885 Zeichen · 27 Bildschirme
七
それが犇と胸へきてどんなに疲れているときでもからだがしゃんとなる、そして洗われたようなすがすがしい気持で、しずかに鍬をとるのだった。
「たいそう日にお焦けなすったこと」或日より女はつくづくあきつを見てそう云った、「……いいことがあります、ちょっとお待ちなさい」
七
小走りに奥へいったより女は、すぐにあの萱笠を持って戻った。「秋の日は肌をいためるといいます、今日から畑へはこれを冠っていらっしゃい」
「いいえ」あきつはさっと色を変えた、「……いいえそれは、それはいけません、わたくしそれだけは」
「どうしてです、あの子の畑を作るのですもの、あの子の笠を冠ってもよいでしょう」
「でもそれだけは、いいえお笠はおつむりへのるものですから、お許しもなしに戴くわけにはまいりません、それにわたくし、日に当ることは慣れておりますもの、お笠は却って邪魔でございますわ」
そしてまるで逃げるように家を出てしまった。
畑の土を踏むのでさえ心のどこかが痛む、大切にしている手作りの笠がどうして借りられよう、――それにあの笠は大三郎さまが幾たびかお冠りなすっている、そう思うとその人に触れるような羞かしさも加わって、あきつはぎゅっと身の竦む感じさえした。