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Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき・しょかん

日記・書簡

宮本 百合子

Lesen Sie 日記・書簡 (にっき・しょかん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.385 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

斯様な問題が繰返された。

一度でも、私が、その物質と交換的な養子問題を、内心或る心にすまなさを感じつつそれに傾いたのが、誤りだったのだと思わずには居られない。

自分達が相互の愛に責任を持った以上、その結果たる生活にも、責任を持つべきであったのだ。

自分の愛は、今少しで、不思議に甘い妥協と家族制度との誘惑に陥る処だった。

「他姓」「他姓」と屡々繰返される両親から、物質的補助を心易く受け得る申訳として、家族の一員と成って其姓を犯す――此を彼にさせてよろしいものだろうか、

此点の決定は、自分を一家のペットとするか、或は又、主義、真理の追従者とするかに別れる。

自分は彼等の愛と、心痛とを明かに感じる事が出来る。然し……心にやましく恥じつつ、仮にも「真」を見出して生きようとする自分の生は続けられない。

考えなければならない。此は空想ではないのだ、自分が呼んだ巨人におびえるのは自分か。

此の問題を決定するまでに、自分はどこか静かな田園に考え場所を求める。

一九一八年十月二十三日〔東京市本郷区駒込林町二一 中條葭江宛 シカゴ(消印)より(“WILL THEY LAST”と記された諷刺絵の絵はがき)〕