Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.192 Zeichen · 7 Bildschirme
十二月六日
十二月九日
○稲畑さんの御嬢さんは、ちっとも性的生活と云う事を知らない。結婚の当夜彼女の heart shock の多いことを思うと深い心持に成る。
何にも知らないで良人を、どう思うか。
性交と云う事をまるで知らないものの純けつさと大胆淫とうに見えるほどの純潔。感情生活の単純なときの理智的。
十二月六日
午後五時頃
丁度満月が、緑色のしなやかな波の上に照って居る。
霧でかすんで――大きな日暈にとりかこまれた月は、長いゆれる尾を引いて幻の優しい愁しい気分をもって、上って居る。鈍い、深い黒潮の上に月の差す所丈は銀緑に光るのである。
○今日は朝から、不思議な憂鬱と淋しさを感じる。眼が見える。ゲームをしてもいやしい人の心が直ちに感じられる。
シアトルで最後の晩、床の中で、かすかな明りをうけながら、じっと私の顔を見て居た、その眼が絶えず私を見る。
その眼の前に、人間の心のいやしさがむき出される。
十二月九日
夜、非常に淋しい。淋しい。非常に淋しい。友達と多く話して居ても、芳子さんと一緒に甲板を歩いて居ても、心の底には絶えない淋しさが流れる。寂寥である。
Sの腕に抱かれないでは癒されない淋しさである。