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Japanische Klassiker mit Furigana

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わせだだいがく

早稲田大学

尾崎 士郎

Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme

Aozora Bunko

変っていないのは私の上級生だったN氏の顔だけで、どの建築にも見おぼえのある筈はなく、擦れちがう学生たちの、精彩にみちた若々しい顔にぶつかると私はどきっとして胸をときめかすのである。どの顔にも彼等の表情をかすめる、あたらしい時代の翳が、何の淀みもなくくっきりとうかびあがっている。どこを歩いても私にとっては結局同じことであった。私の記憶では正門を入るとすぐ左側に青いペンキの剥げ落ちた木造二階建の講堂があり、その横に田舎の中学校の雨天体操場を思わせるトタン屋根の学生控所があった。教室という教室は木造の二階建で、唯一つ、小高い丘の上から赤い煉瓦のあたらしい色を湛えて嶄然とうかびあがっていた恩賜館の建築も、今はどこにあるのか見当もつかぬ始末である。

その頃は正門から少しはなれて高等予科の門があり、その門が小さい通路をへだてて鶴巻町の一角を領有している大隈侯爵邸と向いあっていた。

「ほら、――此処から真正面に見えるホールの入口のところに大きな石が見えるでしょう」

庭園の奥にある、小さい流れの前へ来たところでN氏が立ちどまった。「あそこが、大書院のあったところで、昔ながらの原形をとどめているのは、あの沓脱ぎ石だけです」