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Japanische Klassiker mit Furigana

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わせだだいがく

早稲田大学

尾崎 士郎

Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme

Aozora Bunko

「風蕭々として易水寒し」。

深い余韻が波の中に消えてゆく。咽喉がひきつったようになってどうしてもあとの「壮士」――が出て来ないのだ。声がとぎれると、夜風のうすら寒さが急に身に沁みるようである。恒喜の眼には涙があふれてきた。痩せた頬を伝って滴る涙が月光の中にキラキラと光った。

「どうもいかん」。

恒喜は微笑にまぎらしながら茣蓙の上へ腰をおろした。

「咽喉がかさかさに乾あがってうまく唄えん」。

「よか、よか」。

と疋田が言った。「それよりも一杯やろうたい、――あまり愚図愚図もしとれんでな」。

来たときとくらべると波の高まってきたのがハッキリ眼に見えるようである。艀の船頭は舟を持ちあつかいかねて、さっきからしきりに甲板の人影に向って何か叫んでいるのだ。疋田は船員から借りたコップを来島の手にわたし、徳利の口をあげた。来島がひと息に飲みほして藤島にわたすと、藤島はちびりと舐めてから、不審そうに眉をひそめた。

「何や、――こいつはいやに水っぽかぞ」。

「水じゃから水っぽかたい、いらんこと言わんで早う廻せ」。

疋田が横目でジロリと睨み据えた。一座がたちまちしいんとなった。