Japanische Klassiker mit Furigana
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はやみみさんじとりものききがき
早耳三次捕物聞書
林 不忘
Lesen Sie 早耳三次捕物聞書 (はやみみさんじとりものききがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.050 Zeichen · 20 Bildschirme
路地の奥、素人家作りの一軒建て、千本格子に磨きがきいて、ちょいと小粋な住居だった。
これへ男の姿が消えたのを見澄ました早耳三次、窓ぎわへぴったり身を寄せて、家内のようすに耳を立てた。
たださえ早耳と言われるくらいの三次、それが今は、その早耳をことさら押っ立てたのだから耐らない。逐一聞える。
「誰だえ、ああ、助さんかえ、お帰り、御苦労だったね。どうだったえ。」
という怠そうな女の声。男が答えている。
「どうもこうもありゃあしねえ。しっかり握って出て来たまではいいが、途中で見りゃあ――へん、今日みてえなばかな目に遇ったこたあねえ。ああ嫌だ。嫌だ。」
「あら、どうしたのさ、この人は。貼り付いていなかったというのかえ?」
「いんや、あったにゃあった。あったにゃあったが、これだ、ほい、見てくんねえ。」
「嫌だよこの人は。ちょいとさ、こりゃあお前さん、碁石じゃないか。」
「碁石だよ。」
「碁石だよもないもんだ。おふざけじゃないよ。碁石と知って持って来るやつもないもんじゃないか。」
「へん、はじめから碁石と知って持って来たんじゃねえや。お前が言うにゃあ昨日のうちに細工してあるというから、俺あ一件のつもりで剥がしてきたんだ。