Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
かれの蝙蝠安は松助よりももっとおとなしい、始終猫撫で声で物をいうような忌な奴であった。鶴蔵といい、伝五郎といい、こういう芸風の俳優は今はない。新蔵のことは後にあらためて書く。
そのときは木戸からはいったのであるが、母が出方に幾らかやると、出方はその返礼として水菓子を持って来てくれた。おそらく五十銭か一円ぐらいしかやらなかったのであろうと思うが、ともかくもその返礼をくれたのである。物価の廉い時代であるから、その水菓子はせいぜい二十銭か二十五銭のものであろうが、明治の中頃まではそういう習慣が続いていたらしい。その後にわたしも木戸から見物に行ったことがしばしばあったが、祝儀のやり方が少ないと見えて、一度も出方から返礼を貰った例はなかった。
この七月十五日には岩代の磐梯山破裂という怖ろしい出来事があって、五百人ほどの惨死者を出したという報道が世人の耳目を衝動した。それを当て込んで、鳥越の中村座では天明年間の浅間山噴火を脚色した「音聞浅間幻灯画」という五幕物を十月興行の二番目に出した。作者は黙阿弥であるが、“写絵”を“幻灯”と書いたところにその時代のおもかげが窺われる。