Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
その当時の歌舞伎俳優が軍服を着けた姿などは、決して見よいものではなかった。かれらは太刀や槍を持っての立廻りには馴れていても、銃や剣を把るに馴れていない。現代の戦争というものに対しても何の知識も持っていない。勿論、その点においては書生俳優らも同様であったが、むしろ素人であるだけにかえって始末がいい。軍服をつけた格好も歌舞伎俳優よりは見た眼がいい。立廻りも無茶苦茶だけにかえって写実らしい。そんなわけで、この戦争劇は結局書生側の勝利に帰したものと認められてしまった。
歌舞伎側では戦争劇の成績が思わしくなかったのと、また二つには歌舞伎劇の立場として、幾たびも同じような戦争劇を繰返してはいられないので、その後は普通の劇を演じつづけることになったが、書生芝居の方ではこの機会を逸すまいとして、その後も戦争劇を続々上演した。殊に川上音二郎は浅草座で好成績を占めると、すぐに従軍許可願の運動に着手して、ともかくも朝鮮まで出かけて行った。そうして「川上音二郎従軍日記」とかいう看板をあげて、市村座で第二回の戦争劇を開演すると、これがまた大当りに当たった。なにしろ戦場の実地を見とどけて来て、それをすぐに舞台にのせるというのであるから、どこまでが嘘か本当か、そんな見分けも付かずに観客はただむやみに喝采した。