Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
臨終の模様などを詳しく語った。我々ももう覚悟していることではあったが、今や確実の報告を聞かされて、俄かに暗い心持になった。
家橘は改名の口上を団十郎にたのむはずであった。その矢さきに彼をうしなったので、家橘は取りわけて落胆しているらしかった。こうなった以上、なまじいの人を頼むよりも、いっそ自分ひとりで口上を言った方がよかろうと我々が教えると、どうもそうするよりほかはありますまいと本人も言っていた。なにしろ右の次第であるから、わざわざお呼び立て申して置きながら失礼御免くださいと挨拶して、家橘は降りしきる雨のなかを再び茅ヶ崎へ引返して行った。
そのあとの座敷はいよいよ沈んで来た。団十郎が死んだと決まったので、無休刊の新聞社の人はその記事をかくために早々立去るのもあったが、わたしたちのような月曜休刊の社のものは直ぐに帰っても仕様がないのと、あやめが気の毒そうにひき止めるのとで、あとに居残って夜のふけるまで故人の噂をくりかえしていると、秋の雨はまだ降りやまないで、暗い海の音がさびしく聞こえた。その夜はまったく寂しい夜であった。団十郎は天保九年の生まれで、享年六十六歳であると聞いた。