Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
それであるから、それが誰も知っている狂言の場合には、どれが本役で、どれが捨役であるかを判別することも出来るが、馴染の薄い狂言や新狂言の場合には容易に見当が付かない。加藤清正とか家主長兵衛とか書いてあっても、その清正や長兵衛が果たして登場するのかどうだか判らない。それは座頭の俳優ばかりでなく、中軸や書出しや立女形や庵などの位地に坐っている主なる俳優が皆それであるから、真偽混淆でずいぶん困らせられたものである。
なぜそんな不便な習慣を作ったかというと、昔の番附は幕ごとの登場人物を記載するのでなく、書出し、中軸、立女形、座頭という風に、俳優の位地によって排列して、一人が一日中の登場役割を一つところに悉く列べて書くことになっていたので、たといそれが幕ごとに出るような重要な役を勤めていても、主要なる俳優が番附の上にただ一役というのでは、見た目がいかにも寂しいように感じられる虞れがある。それを救うがために、捨役という有名無実のものを作り設けて、一人がいつでも三役か四役かを勤めるように見せかけたのが始まりである。明治以後もやはりその習慣をつづけて来たのであるが、明治二十二年十一月、歌舞伎座が新たに開場すると共に、その番附の用紙を改良し、一幕ごとに登場人物の役割をしるすことにした。