Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
なって来た。いわゆるスピード時代で、世の中が忙がしくなって来たのだといえばそれまでであるが、劇場側でもまたその註文に応じるように、何でもハイスピードでばたばたと片付けることを工夫するようになって来た。わたしたちのような老人の眼から観ると、今日の劇場と観客とは、安インキの薄っぺらなプログラム一枚によって、よく象徴されているように思われる。
前にもいう通り、以前はどこの劇場でも毎月開場するなどということは決してない。したがって、好劇家にはその開場が待ち遠しいこともある。新聞の紙上などには、どこの劇場は来月何日ごろ開場するそうだ、というような芝居だよりがちらほら現われても、それがなかなか実現しない。そのうちに馴染の芝居茶屋の若い者や劇場の出方などが番附を配って来る。それは郵便のように門口から投げ込んでゆくのではない。裏口か表口から丁寧に案内してはいって来て、暑さ寒さの挨拶を述べた上で、いよいよ何日から芝居が明きますから御見物をねがいますと言う。こちらは待ちかねているところであるから、今度の狂言の噂や俳優の噂や、それからそれへといろいろのことを訊く。ひまな時には内へ呼びあげて、三十分も一時間も話しているようなこともある。