Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
大劇場の興行は一年わずか三、四回で、毎月欠かさずに開場するのは彼の鈍帳芝居にかぎられていた。然るに、この鳥熊の春木座は廻り舞台も花道も持っている立派な大劇場であるにもかかわらず、毎月かならず狂言をさし換えて開場した。そうして、桟敷と高土間は格別、平土間は四の側ぐらい以後を大入り場として全部開放した。つまり彼の鈍帳式の興行法を大劇場に応用したもので、それが大いに人気を呼んだのであった。
第一には入場料の廉いことである。大入り場は一人六銭で、序幕のあかない前に来たものには半札をくれ、それを来月の興行に通用することが出来るというのであるから、今月の半札を持参すれば、来月の芝居は半額の三銭で観られるのである。いかに物価の廉い時代でも、入場料三銭で大劇場を一日見物することが出来るのであるから、廉いが中にも廉いものに相違なかった。もちろん弁当持参は随意であるが、かの鈍帳芝居とおなじように、弁当や菓子などを場内でも売らせていた。この座の特色としては、在来の男の出方を全廃して、場内の案内や食物の世話などは、すべて若い女に扱わせていたのである。これは上方式に拠ったのであろうが、東京の劇場内でいわゆる“女給”なるものを採用したのは、ここが新しい記録といってよい。