Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.134 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

「梶原さんてえのはどこだね」

と、子供にきいても、大人にきいても、

「知らねえよ」だ。

男のアンマと女のアンマの年寄夫婦に、若い車夫の夫婦がいるうちはどこだい、と、お龍がキテンをきかして質問の方法をかえてみると、さすがに分った。

はじめは知らぬフリをして通り過ぎて中をチラとのぞいてみる。ありがたいことに、貧民窟は開けッ放しで、どこも中がまる見えだ。障子に紙などというものが張っておけるぐらいなら、誰が貧民窟に住むものか。一度二度通りすぎて確めてみると、男のアンマも、息子の車夫も、たしかに居ないようである。そして幼い子供たちがギャア/\泣いている。

お龍がコンチハと訪うと、こういうまる見えの家でも見えないところがあるものだ。勝手口の方から、アイヨ、ダレ? と顔をだしたのは世帯やつれした女。よく見れば若々しいところもあるが、駒子と似たところがなく、利巧さが目に見える顔ではあるが、世帯の苦労で二十の年より八ツも十も老けて見える。どこに伏兵がいるか分らないから、

「この家ですかね。メクラの爺さんと、その息子がいるウチは?」

「ここだけど、男は二人とも出払ってるよ」