Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.134 Zeichen · 43 Bildschirme
彼は脇腹をおさえて苦しみはじめた。こういう小心な男には神様が特別の仕掛を与えておいて下さると見えて、苦しみだすと、本当に腹が痛いような気がしてきたから妙なものだ。ただごとならぬ苦しみ様。
一力はイタチ組と肌の違う正二郎の人柄を知っている。この苦しみが狂言ではないかも知れぬが、イタチ組から離れた方がこの男の身の為だと見たから、
「放ッとくと死ぬかも知れんね。陸にちかい今のうちに船から下した方がよい。人家にちかい岸へつけて病人をたのんで行こう」
イタチ組の面々も、ここまで落ちてきた以上は、こんな小心な男は足手まといになるだけで、役に立つ見込みがない。
「ナニ、人家なんぞなくともかまわん。近い岸へつけて松の根ッこへ放りだせ」
瑞巌寺の岸へつけ、一力は松島の漁師に後事を託し、正二郎を残して去った。そこで正二郎は首尾よくイタチ組から離れることができた。さッそく塩竈へとって返して、造り酒屋の聟におさまったのである。
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さて聟におさまってみると、考えていたのとは勝手がちがう。彼の後にイタチ組の抜き身が光っていた時とはちがって、扱いの相違が甚しい。