Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はるかぜのふくまち

春風の吹く町

小川 未明

Lesen Sie 春風の吹く町 (はるかぜのふくまち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.346 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

「私には、はらんの実がいちばんきくのですが。」と、金さんが、苦しそうに、いいました。子供の時分にもはなはだしい熱のとき、親方が、らんの実を煎じて飲ましてくれて、なおったことを思い出したのです。

「らんの実ですか、さがしてあげますよ。」

良ちゃんのお母さんは、金さんのために、翌日、らんをたずねて方々を歩いたのでした。

一人のおじいさんがあって、らんのほかに、いろいろの薬草を作っていました。

「これは、去年生った実です。」といって、らんの実を分けてくれました。また、良ちゃんのお父さんの、胃の病気によくきくという草も分けてくれました。このとき、お母さんには、おじいさんの顔が、神々しく見えたのです。そして、他人のためにしたことが、かえって自分のためになったとうれしかったのであります。

吹く春風にどこからともなく、いい花の香りが流れてきて、林の中では、小鳥が楽しそうにさえずっていました。