Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はるかぜのふくまち

春風の吹く町

小川 未明

Lesen Sie 春風の吹く町 (はるかぜのふくまち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.346 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

良ちゃんの家は、病気のお父さんと、働きに出かけるお母さんとでありました。良ちゃんは、一冊の本も容易に買ってもらえなかったのです。

その日の晩でありました。仕事から帰ったお母さんが、良ちゃんをつれて本屋さんへやってきました。良ちゃんの顔には、泣いたあとがあって、昼間与えた絵本を抱いています。

「この子が、ご本をもらったといって持ってきましたが、ほんとうでしょうか?」

「ほんとうです。金太郎さんが、お好きのようですから、あげたのです。」と、金さんは、笑って答えました。

「ありがとうございます。それなら、いいですけれど。」と、お母さんは、喜んで、お礼をいって、帰りました。後からついていく良ちゃんの顔も、いきいきとしていました。

金さんは、かぜをひいて臥ました。店も半分閉めてあります。いちばん心配したのは毎日遊びにくる子供たちでした。

「おじさん、どこがわるいの。」

「おじさん、ご用があったら、お使いにいってあげるよ。」

いろいろと、上がりがまちから、奥の方をのぞいてなぐさめました。金さんは、うれしく思いました。日暮れ方には、良ちゃんのお母さんが、みまいにきました。