Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme
濡れた女はお春の小さい魂に乗りうつって、自分の隠れた名を人に告げるのではないかとも思われた。刀を持っていた二人もなんだか薄気味悪くなって来た。
用人の五左衛門も心配して、あくる日は市ヶ谷で有名な売卜者をたずねた。売卜者は屋敷の西にある大きい椿の根を掘ってみろと教えた。とりあえずその椿を掘り倒してみたが、その結果はいたずらに売卜者の信用をおとすに過ぎなかった。
夜はとても眠れないというので、お道は昼間寝床にはいることにした。おふみもさすがに昼は襲って来なかった。これで少しはほっとしたものの、武家の妻が遊女かなんぞのように、夜は起きていて昼は寝る、こうした変則の生活状態をつづけてゆくのは甚だ迷惑でもあり、且は不便でもあった。なんとかして永久にこの幽霊を追いはらってしまうのでなければ、小幡一家の平和を保つことは覚束ないように思われた。併しこんなことが世間に洩れては家の外聞にもかかわるというので、松村も勿論秘密を守っていた。小幡も家来どもの口を封じて置いた。それでも誰かの口から洩れたとみえて、けしからぬ噂がこの屋敷に出入りする人々の耳にささやかれた。
「小幡の屋敷に幽霊が出る。