Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme
「ねえ、親分。それが武士なんです。変じゃありませんか」
「変でねえ、あたりまえだ」
武士が銭湯に入浴する場合には、忌でも応でも一度は二階へあがって、まず自分の大小をあずけて置いて、それから風呂場へ行かなければならなかった。湯屋の二階には刀掛けがあった。
「けれども、毎日欠かさずに来るんですぜ」
「勤番者だろう。お吉に思召しでもあるんだろう」と、半七は笑った。
「だって、おかしいじゃありませんか。まあ聴いておくんなせえ。去年の冬からかれこれもう五十日も毎日つづけて来るんですぜ。大晦日でも、元日でも、二日でも……。なんぼ勤番者だって、屋敷者が元日二日に湯屋の二階にころがっている。そんな理窟がねえじゃありませんか。おまけに、それが一人でねえ、大抵二人連れでやって来て、時々どこかへ出たり這入ったりして、夕方になるときっと一緒に繋がって帰って行く。それが諄くもいう通り、暮も正月もお構いなしに、毎日続くんだから奇妙でしょう。どう考えてもこりゃあ尋常の武士じゃありませんぜ」
「そうよなあ」と、半七は少しまじめになって考えはじめた。
「どうです。親分はそいつ等をなんだと思います」