Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme
と、こう云っているんです。ねえ、どうです。これだけ聞いても碌な相談でないことは判ろうじゃありませんか」
「むむ」と、半七はまた考えた。
黒船の帆影が伊豆の海を驚かしてから、世の中は漸次にさわがしくなった。夷狄を征伐する軍用金を出せとか云って、富裕の町家を嚇してあるく一種の浪人組が近頃所々に徘徊する。しかも、その中にほんとうの浪人は少ない。大抵は質の悪い御家人どもや、お城坊主の道楽息子どもや、或いは市中の無頼漢どもが、同気相求むる徒党を組んで、軍用金などという体裁の好い名目のもとに、理不尽の押借りや強盗を働くのである。熊蔵の二階を策源地としているらしい彼の二人の怪しい武士も、或いはその一類ではないかと半七は想像した。
「じゃあ、なにしろ明日おれが見とどけに行こうよ」
「お待ち申しています。午ごろならば奴らも間違いなく来ていますから」と、熊蔵は約束して帰った。
あくる朝は七草粥を祝って、半七は出がけに八丁堀同心の宅へ顔を出すと、世間がこのごろ物騒がしいに就いて火付盗賊改めが一層厳重になった、その積りで精々御用を勤めろという注意があった。これが半七を刺戟して、いよいよ彼の注意を熊蔵の二階に向けさせた。