Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme
熊蔵の報告によると、ゆうべ同町内の伊勢屋という質屋へ浪人風の二人組の押し込みがはいって、例の軍用金を云い立てに有り金を出せと云った。こっちで素直に渡さなかったので、かれらは大刀をふり廻して主人と番頭に手を負わせた。そうして、そこらに有合わせた金を八十両ほど引っさらって行った。覆面していたから判然とは判らないが、かれらの人相や年頃が彼の二人の怪しい武士に符合していると、熊蔵は付け加えた。
「どうしても彼奴らですよ。わっしの二階を足溜りにして奴らはそこらを荒して歩くつもりに相違ありませんぜ。早く何とかしなけりゃあなりますめえ」
「そいつは打捨って置けねえな」と、半七も考えていた。
「打捨って置けませんとも……。そのうちに他から手でも着けられた日にゃあ、親分ばかりじゃねえ、この湯屋熊の面が立ちませんからね」
そう云われると、半七も落ち着いていられなくなった。自分が一旦手を着けかけた仕事を、ほかの者にさらって行かれるのは如何にも口惜しい。と云って、無証拠のものを無暗に召捕るわけには行かなかった。まして相手は武士である。迂濶に手を出して、飛んだ逆捻を食ってはならないとも思った。