Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme

Aozora Bunko

と、番頭は苦笑いをしていた。その傍には何か油紙に包んだ硬ばった物が横たえてあった。

「何ですえ、それは……」

「こんなもので……」

油紙をあけると、そのなかから薄黒い泥まぶれの魚のようなものが現われた。それは刀の柄や鞘を巻く泥鮫であると番頭が説明した。

「鮫の皮ですか。こうして見ると、随分きたないもんですね」

「まだ仕上げの済まない泥鮫ですからね」と、番頭はそのきたない鮫の皮を打返して見せた。

「御承知の通り、この鮫の皮はたいてい異国の遠い島から来るんですが、みんな泥だらけのまま送って来て、こっちで洗ったり磨いたりして初めてまっ白な綺麗なものになるんですが、その仕上げがなかなか面倒でしてね。それに迂濶するとひどい損をします。なにしろこの通り泥だらけで来るんですから、すっかり仕上げて見ないうちは、傷があるか血暈があるか能く判りません。傷はまあ好いんですが、血暈という奴がまことに困るんです。なんでも鮫を突き殺した時に、その生血が皮に沁み着くんだそうですが、これが幾ら洗っても磨いても脱けないので困るんです。まっ白な鮫の肌に薄黒い点が着いていちゃあ売物になりませんからね。