Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme
おい、木戸をあけておいらを庭口へ廻らしてくれねえか」と、半七は云った。
お竹が奥へ取次いだとみえて、大番頭の重蔵が眼をくぼませて出て来た。
「どうも御苦労様でございます。どうぞ直ぐにこちらへ……」
「飛んだこってしたね。お取り込みの中へずかずかはいるのも良くねえから、すぐに庭口へ廻ろうと思ったんですが、それじゃあ御免を蒙ります」
半七は奥へ案内されて、お寅の血のあとがまだ乾かない八畳の居間へ通った。彼がかねて知っている通り、縁側は北に向っていて、前には十坪ばかりの小庭があった。庭には綺麗に手入れが行きとどいていて、雪釣りの松や霜除けの芭蕉が冬らしい庭の色を作っていた。
「縁側の雨戸は開いていたんですか」と、半七は訊いた。
「雨戸はみんな閉めてあったんですが、その手水鉢の前だけが、いつも一枚細目にあけてありますので……」と、案内して来た重蔵は説明した。「勿論それは宵の内だけで、寝る時分にはぴったり閉めてしまいます」
半七は無言で高い松の梢をみあげた。闖入者はこの松を伝って来たものらしくも思われなかった。忍び返しの竹にも損所はなかった。
「ずいぶん高い塀ですね」