Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
それは実に飛んでもない話で、かれは彼の小女郎狐と親しくしているという噂であった。
おこよは用の都合で暮れてから庄屋の家を出ることもあった。その帰り途で、彼女はここらにめずらしい寺小姓風の美少年に出逢って、暗い鎮守の森の奥や、ひと目のない麦畑のなかへ一緒に連れ立って行ったことがある。その美少年は小女郎狐か、もしくはその眷族の化身で、かれは畜類とまじわっているのであるという奇怪の噂はだんだんに広まって来た。それが隣り村にもきこえたので、縁談は中途で行き悩みになった。さりとは途方もないことであると、高巌寺の住職はおどろいて怒って、その噂の主をしきりに詮議したが、確かにそれと取り留めたこともないうちに、折角の縁談はとうとう毀れてしまった。それから三日目の十五夜の晩に、おこよの死体は村ざかいの川しもに見いだされた。
若い美しい娘の死については何かの秘密がまつわっているであろうとは、長次郎も最初から大抵想像していたが、かれの運命もまた小女郎狐に呪われていようとはさすがに思いも寄らなかった。
「なるほど飛んでもねえ話だ」と、長次郎も溜息をついた。「しかし隣り村の家というのもあんまりまっているじゃねえか。