Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
「そりゃあまだ判らねえ。が、それがどうも気になる。御苦労だがもう一度行って、その猫の児をどうしてなくしたのか。その猫はどういう猫か詳しく訊いて来てくれ」
「ようごぜえます。善八の方からはなんにも云って来ませんかえ」
「あいつの方からは沙汰なしだ。だが、あいつの方はちっと面倒だからすぐには行くめえ。なにしろ頼むよ」
亀吉は承知して帰った。
二
あくる二十八日の朝は空っ風が吹いた。薬研堀の歳の市は寒かろうと噂をしながら、半七は格子の外に立って、町内の仕事師が門松を立てるのを見ていると、亀吉は三十五六の男を連れて来た。
「親分。この男を連れて来ましたよ。わっしの又聞きで何か間違うといけねえから、その本人を引っ張って来ました」
「そうか。やあ、おまえさん。節季の忙がしいところを御苦労でした。まあ、どうぞ、こっちへはいってください」
「ごめん下さい」
男は恐る恐るはいって来た。かれは赭ら顔の小ぶとりに肥った男で、左の眉のはずれに疱瘡の痕が二つばかり大きく残っているのが眼についた。彼は下谷の稲荷町に住んでいる富蔵と名乗った。
「ただいま亀さんのお話をうかがいましたら、何かわたくしに御用がありますそうで……」