Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
となりは富蔵の家で、かれは戸をあけ放したままで町内の銭湯へ出て行った留守であったが、奪られるような物のある家では無し、殊にその男の顔も見知っているので、女房も安心してそう教えたのであった。すこし酔っているらしい男は礼を云って隣りへはいって、上がり框に腰かけているらしかったが、そのうちに三味線をぽつんぽつんと弾き出した音がきこえた。かれはお津賀の家へ来ても時々に三味線を弾くことがあるので、女房も別に不思議には思わないで自分の米を磨いでしまって家へ帰った。
「それからが騒動なんですよ」と、女房は顔をしかめて話した。「富さんの家で何かどたんばたんという音が聞えたから、どうしたのかと思って駆けつけてみると、富さんは湯あがりの頭からぽっぽっ煙を立てて、その叔父さんという人の胸倉を掴んで、ひどい権幕で何か掛け合いを付けているんです。だんだん訊いてみると、その人が富さんの猫を撲ち殺してしまったという一件なんです」
「なぜ殺したんだろう。だしぬけに踊り出したのかえ」と、半七は訊いた。
「そうなんですよ。踊り出したんですよ」
女房の説明によると、富蔵は自分の飼っている白い仔猫に踊りを仕込むために、長火鉢に炭火をかんかん熾して、その上に銅の板を置く。