Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
火事は先ずそれで済んだが、済まないのは、その火元に男が死んでいることである。死んだ男はかの富蔵であった。一つ長屋のお津賀の死骸も井戸から発見された。
「こういうわけだから私ひとりじゃいけねえ。お前さんも早く来ておくんなせえ」
「よし、すぐに行く。なにしろ飛んだことになったものだ」
半七は身支度をして、亀吉と一緒に出てゆくと、師走二十九日のあかつきの風は、諸刃の大きい剣で薙ぎ倒そうとするように吹き払って来た。ふたりは眼口をふさいで転げるようにあるいた。稲荷町へ行き着いてみると、富蔵の家は半焼けのままで頽れ落ちて、咽せるような白い煙りは狭い露路の奥にうずまいて漲っていた。町内の者も長屋の者も、その煙りのなかに群がってがやがやと騒いでいた。
「どうも騒々しいことでした」
きのうの女房を見掛けて半七が声をかけると、あわて眼のかれも一朱くれたきのうの人を見忘れなかった。
「きのうはどうも……。でも、まあ、この風でこのくらいで済めば小難でした」
「小難はおめでてえが、なにか変死があるというじゃありませんか。焼け死んだのですか」と、半七は何げなく訊いた。
「それが判らないんです。