Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
宿の手前、仲間の手前、お津賀のような女に毎日押し掛けて来られましては、わたくしもどうしてよいか、実に消え入りたいくらいで……」
若い女にさいなまれている老人の懺悔を、半七は嘲るような又あわれむような心持で聴いていると市丸太夫は恐る恐る語りつづけた。
「そういう次第で、わたくしも途方に暮れて居りますうちに、宿の女中から不図こんなことを聞きましたのでございます。昨年の夏頃から宿に奉公して居りましたお北という若い女中が主の定まらない胤を宿して、だんだん起居も大儀になって来たので、この七月に暇を取って新宿の宿許へ帰って、十月のはじめに女の児を無事に生み落しました。ところがその赤児はどうした因果か、生まれるときから上顎に二本の長い牙が生えている鬼でございまして、本人は勿論、兄弟たちも世間へ対して外聞が悪いと申して、ひどく困っているということを聞きましたので、わたくしはすぐにそのお北の家へたずねて参りました。お北とは顔馴染みでございますので、本人に逢ってその赤児をみせて貰いますと、なるほど立派な因果者でございます。正直のところわたくしはとても差し当って四両一分の工面は付きませんから、この因果者を富蔵のところへ持って行って、猫の形代に受け取って貰おうと存じまして、この児をよそへやる気はないかと訊きますと、実は持て余して