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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

「化け物でも出るんですか」と、半七はほほえんだ。「それとも、油でも舐める娘でもいるんですかえ」

「まあ、それに似寄った話でございます」と、平兵衛はひたいに皺をよせた。「その寮というのは寺島村の奥で、昼でも狐や河獺の出そうな寂しい所だそうでございます。近い隣りには一軒も人家はございません。そこへ行ってから小半月ほどは、お通も唯ぶらぶらしていたんだそうですが、それから寮番夫婦に云い付けられて、土蔵のなかへ三度の食事を運ぶことになりました」

「土蔵の中へ……」

「土蔵の中には大きな蛇が祀ってあるんだそうで……。それに三度の食物を供える。それには男の肌を知らない生娘でなければいけないというので、お通がその役を云い付けられたのでございます。あんまり心持のいい役ではありませんが、根が田舎育ちでございますから、わたくし共が考えるほどには蛇や蛙を怖がりもいたしません。それに神に祀られているほどだから、人に対して何も悪いことはしないと云い聞かされているもんですから、平気でその役を勤めることになりました。その土蔵というのは昼でも真っ暗なくらいで、中には何が棲んでいるかわかりません。