Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
いや、こんなことを云うから年寄りはいつでも憎まれる。はははははは」
芝居の話がだんだん進んで、天一坊の実録話に移って来た。
「天一坊のことはどなたも御承知ですが、江戸時代には女天一坊というのも随分あったもんですよ」と、老人は云った。「尤もそこは女だけに、将軍家の御落胤というほどの大きな触れ込みをしないで、男の天一坊ほどの評判にはなりませんでしたが、小さい女天一坊は幾らもありましたよ。そのなかで、まず有名なのは日野家のお姫様一件でしょう。あれはたしか文化四年四月の申渡しとおぼえていますが、町奉行所の申渡書では品川宿旅籠屋安右衛門抱とありますから、品川の貸座敷の娼妓ですね。その娼妓のお琴という女が京都の日野中納言家の息女だと云って、世間の評判になったことがあります。その頃、公家のお姫様が女郎になったというのですから、みんな不思議がったに相違ありません。お琴は奉公中に主人の店をぬけだして、浅草源空寺門前の善兵衛というものを家来に仕立て、例の日野家息女をふりまわして、正二位内侍局とかいう肩書で方々を押し廻してあるいていることが奉行所の耳へきこえたので、お琴も善兵衛も吟味をうけることになりました。