Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
しかし彼女の母は公家に奉公したもので、おなじ公家侍のなにがしと夫婦になって、お万とお千という娘ふたりを生んだのだが、六年ほど前に夫婦は流行病で殆ど同時に死んだ。たよりのない娘たちは父の朋輩の式部に引き取られたが、その式部もなにかの不埒があって屋敷を放逐されることになったので、かれは二人の美しい娘を連れて、今後のたつきを求めるために関東へ下って来た。その途中でふと思い付いたのが祈祷所の仕事であった。
式部は加茂の社に知己の者があったので、祈祷や祓いのことなどを少しは見聞きしていた。もとの主人が易学を心得ていたので、その道のことも少しは聞きかじっていた。それらを世渡りの手段として、かれは江戸のまん中に祈祷所の看板をかけたのであるが、自分では諸人の信仰を得がたいと思ったので、姉娘の美しいお万を行者に仕立てて、自分がうしろから巧みにそれを操ってゆくことにした。まだその上にも世間の信仰を増すことをかんがえて、かれは堂上方の消息に通じているのを幸いに、都合よく云いこしらえてお万を冷泉の息女であると吹聴した。式部自身はその家来と名乗っていた。妹は腰元の藤江に化けていた。