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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

女は女房のお仙をつかまえて何か泣きながら話しているらしかったが、やがてお仙に連れられて半七の枕もとへいざり込んで来た。起き直って見ると、それは柳橋のお照という芸妓の妹分で、お浪という今年十八の小綺麗な女であった。

「やあ、浦島が昼寝をしているところへ、乙姫さんが舞い込んで来たね」と、半七は薄ら眠いような眼をこすりながら笑った。「ことしは花火もお廃止だというじゃあねえか。どうも不景気だね。だんだんに世の中が悪くなるんだから仕方がねえ。それでもいつもの日と違うから、茶屋や船宿はちっとは忙がしかろう」

云いながらよく視ると、柳橋の若い芸妓は島田を式のごとく美しく結いあげていたが、顔には白粉のあともなかった。自体がすこし腫れ眼縁のまぶたをいよいよ泣き腫らしていた。花火はなくともきょうは川開きという書入れの物日に、彼女はふだん着の浴衣のままで家を飛び出して来たらしかった。

「どうしたんだ。姉さんと何か喧嘩でもしたのか。この頃はもう何か出来たという評判だから、それで姉さんといがみ合ったんじゃあねえか。そんな尻をおれの方へ持って来たって、辻番が違うぜ」と、半七はからかうように相手の顔をのぞくと、お浪は嫣然ともしなかった。