Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
な風だったそうで、それから二人が小さい声でしばらく立ち話をして、お父っさんはその六部に幾らかやったらしいということです。その後にも日が暮れると、その六部がときどきたずねて来て、一度は草鞋をぬいで茶の間へ上がって来たこともあるそうですが、あたし達はいつも其の時はお座敷へ出ていたのでよく知りません。なんでもその六部が来るようになってから、お父っさんは田舎へ行くと云い出したらしいんですが……」
「ふむう。そんなことがあったのか」
半七の眼は動いた。結構人と評判の高い老人と、なんだか怪しげな六十六部と、この間にどういう糸が繋がっているかを、横から縦からいろいろに想像していたが、やがて彼はお浪に訊いた。
「おめえのところの親父は刺青をしていたっけね」
「ええ。両方の腕に少しばかり」
「なにが彫ってある」
「若い時の道楽で、こんなものは見得にも自慢にもならないと、なるたけ隠すようにしていましたから、あたし達は能く見たこともないんですが、なんでも左の方は紅葉、右の方には桜が彫ってあったようです」
「背中にはなんにもねえか」
「背中は真っ白でした」
「ちゃんは幾つだっけね」
「たしか五十九だと思っています」