Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
「あら、棟梁、忌ですよ。あたしなんにも係り合いなんぞありゃしませんよ」
「まあさ。ともかくも其の娘と一緒に来たんだから、まんざら因縁のねえことはねえ。それだから内所でおめえにだけは話して聞かせる。だが、世間には沙汰無しだよ。おいらがこんな事をしゃべったなんていうことが津の国屋へ知れると、出入り場を一軒しくじるような事が出来るかも知れねえから。いいかえ」
文字春は黙ってうなずいた。
「おいらも遠い昔のことはよく知らねえが、親父なんぞの話を聞くと、あの津の国屋という家は三代ほど前から江戸へ出て来て、下谷の津の国屋という酒屋に奉公していたんだが、三代前の主人というのはなかなかの辛抱人で、津の国屋の暖簾を分けて貰ってこの町内に店を出したのが始まりで、とんとん拍子に運が向いてきて、本家の津の国屋はとうに潰れてしまったが、こっちはいよいよ繁昌になるばかりで、二代目三代目と続いて来た。ところが、今度の主人夫婦になってから子供が出来ねえ。主人はもう三十を越したもんだから、早く貰い子でもせざあなるめえというので、八王子にいる遠縁のものからお安という娘を貰って、まあ可愛がって育てていたんだ。