Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
それらの事はお雪の口からみな文字春の耳にはいるので、彼女はいよいよ暗い心持になって、津の国屋は遅かれ早かれどうしても潰れるのではあるまいかと危ぶまれた。
八月になって、津の国屋にもしばらく変ったこともなかったが、十二日の宵に奥の間の仏壇から火が出て、代々の位牌も過去帳も残らず焼けてしまった。宵の口のことであるから、大勢がすぐに消し止めて幸いに大事にはならなかったが、場所もあろうに仏壇から火が出たということが家内の人々を又おびやかした。
「お燈明の火が風にあおられたのです」と、番頭の金兵衛は云った。
この矢先に又こんなことが世間に聞えてはよくないと、金兵衛は努めてそれを秘して置こうとしたが、誰がしゃべるのか近所ではすぐに知ってしまった。女中のお松ももう居たたまれなくなったと見えて、その月の末に親が病気だというのを口実にして、無理に暇を取って行った。先月にはお米が宿へ下がって、今月はお松が立ち去り、出代り時でもないのに女中がみな居なくなってしまったので、津の国屋では台所働きをする者に差し支えた。近所の桂庵でも忌な噂を知っているので、容易に代りの奉公人をよこさなかった。